企業戦略を実行していくには、リーダーシップとマネジメントが欠かせません。
どちらも人や組織を動かす手段ですが、
リーダーシップは人を導く方向を示す役として、マネジメントは事業構造・収益構造・ビジネスモデルを担います。
Googleのリーダーシップ・マネジメント
現CEOであるスンダー・ピチャイは社員が働きやすい企業を目指し、ビジネスも技術も分かる人材として先陣を切っています。
そんなGoogleのビジネスモデルは様々なサービスを通じてあらゆる情報をデータ化し、広告ビジネスにより収益している。
このビジネスモデルになったのは後付けになります。データを集めていたら他の企業から使わせて欲しいという依頼が来て、「お金を払ってくれたらいいよ」といったマネタイズの仕方です。
これまでは広告依存のビジネスが主でしたが、最近はビジネスモデルを多角化しています。
例えば、YouTubeやGoogle Cloud(GCPやGoogle Workspace)ですね。これらは広告ビジネスではなく(YouTubeは広告ビジネスも含んでいますが)、サブスクリプションサービスの位置づけになります。
ビジネスモデルの多角化理由としては競合企業の躍進により、伸び率が鈍化してきているからです。
googleの取り組みとして有名なのは20%ルールでしょう。 「社員は社内で過ごす時間のうち、20%を自分の担当外の業務分野に使っていい」というもの。 google社内でまだ行われているかは怪しいですが、gmailは元々20%ルールから生まれたサービスです。
危険なこととしては、本来の業務と合わせて100%にしないといけないのに、120%になってしまうケースが出てしまうことです。実際に社員から出てきた不満でもあります。
こうなってしまうと本末転倒です。取り組みとしてやるのであれば、徹底する必要があります。ただし、マイクロマネジメントは悪手なので注意が必要です。
更にgoogleは人材育成にも力を入れています。そこで、最高のマネージャーになるための8つの習慣を示しました(プロジェクトOxygen)
良いコーチであれ
権限を移譲せよ(マイクロマネジメントはしない)
部下に関心を持て
くよくよせず結果志向
良いコミュニケーターであれ
部下のキャリアをサポートせよ
ビジョンと戦略を明確に
技術力を磨け(自分のためではなくサポートのために)
Appleのリーダーシップ・マネジメント
現CEOであるティム・クックはジョブスと違い、組織を向上させる力を用いて舵取りをしています。
Appleのビジネスモデルは、iPhoneをはじめハードウェア市場の独占とApple storeによる手数料が主です。
GoogleやMicrosoftがOSを公開して他社でも製品を作れるようにしているのに対して、Appleは自社で賄っているためある意味で独占している状態となっています。
この戦略により、提供している商品が価格競争により値崩れするようなこともなく、プレミアムブランド化しているも大きいです。
Appleもまたサブスクリプションサービスを展開していますが、売上比だけで見れば全体の18%程度になっています。 ただ、伸び率は5年間で2.5倍に成長しているので、軽視するのは早急です。
古いモノは捨て未来を生かす
常に真実を語る。悪い知らせほど早く
誠実であれ。疑問は聞くこと
地位に関係なく床は全員でふく
良いビジネスパートナーになれ
顧客をよくみるプロに
カスタマーの声を聞く。そうすれば理解してくれる
パートナーとWin-Winになる
お互い気を配る。情報を共有する
難しく考えすぎない
楽しむこと
Facebookのリーダーシップ・マネジメント
創業当時からマーク・ザッカーバーグがCEOを務め、クリエイティブな問題解決と素早い意思決定を軸に先導しています。
「素早い実行は完璧に勝る」「コードは議論に勝る」という言葉はFacebookのハッカーカルチャー=クリエイティブな問題解決と素早い意思決定に報いる環境を象徴しています。
Facebookのビジネスモデルは、facebookやインスタグラムをマーケティング・プラットフォームとして活用した広告ビジネスです。
アメリカの大統領選にも影響を与えた個人情報流出問題を期に、プライバシー重視のビジョンを発表しビジネスモデルの転換を図っています。(フェイクニュースの温床になり、信頼性が低下してしまったため)
そこで力を入れているのが、信頼性を担保するためのブロックチェーン技術です。
Amazonのリーダーシップ・マネジメント
ジェフ・ベゾスは大企業病にならないために、Day1=創業1日目のバイタリティを保つことを重要視し企業文化を作っています。
Amazonのビジネスモデルは、EC(オンラインストア)とAWS(クラウドサービス)の2軸で成り立っていますが、ECの方は薄利多売で利益率が低いです。それでもオンラインストアの売上が50.4%を占めています。
新規事業として宇宙ビジネスを視野に入れながらも、既存のECやAWSの拡張にも力を入れている。無人店舗(amazon go)やドローンによる運送サービスも展開を進行中。
ピザ2枚ルール
チームはピザ2枚を分け合える程度の規模(6~10人)の方が自律的に行動し、リーダーシップを発揮できると提唱している
更にチーム内のメンバーが常に最新の情報を得ることができ、意思疎通は図る時間が最小限で済みます。
Amazonの文化として、「リーダーシップの14カ条に則って行動し、自分自身を駆り立てるリーダーになるべき」というものがあります。
顧客第一主義
当事者意識
革新と創造
正しい判断
向上心
コーチング
高い目標
広い視野
即断即決
倹約
人間性(信頼性)
気配り
信念のある決断
遂行能力
GAFAが目指す今後の展開
4つの企業いずれも利益の大半を投資に回しています。力を入れている分野は異なりますが、やろうしていることは事業の多角化という意味合いでは一緒です。一番投資しているのはAmazonになります。
GoogleはAI系(特に自動運転系->Waymo)
Appleはヘルスケア系
FacebookはVR系・ブロックチェーン(仮想通貨含む)
Amazonはalexa・ドローン・宇宙ビジネス
ネクストGAFAと目される企業
コロナ禍で更に業績を伸ばしている動画配信企業Netflix
成長途上であるクラウドサービスで猛追を見せるMicroSoft
水平分業のビジネスモデルで、次世代自動車産業を狙うTESLA
Amazonを凌ぐ世界一のECプラットフォーマー企業アリババ
5G時代のスマホ市場の覇権を持続的な研究開発投資により狙うファーウェイ
SNSを起点にしながら、多様なビジネス展開をしているテンセント
中国の検索最大手からAI企業への転身を図るバイドゥ